小学校図書館司書MARIママ、読み聞かせ絵本紹介します!

学校司書のパートと、2歳4歳姉弟の育児&保護猫2匹のお世話に奮闘しているMARIママです。読み聞かせおすすめの絵本を紹介しています。

小学校図書館司書おすすめ読み聞かせ絵本【1まいの がようし】紙の無限の可能性に大人も驚く絵本です。

●技術じゃなくて、気持ちが大事。お金の勉強にも。

表紙は白い紙が輝いて中央に描かれ、3人の子供が一緒に描かれています。
アフリカ、ガーナのあるスラムの村のお話です。
低学年ではイメージしにくいと思うので、中学年、高学年に、SDGsを考えるきっかけとして読み聞かせしています。
「お父さんの しごとを 1日 手つだうと、だいたい 1ガーナセディ もらえます。」
20円だそうです。
少なっ、と中学年くらいの子は言います。
けれど「この村では、1ガーナセディあれば、大きくて おいしい キャンディーが 1つ 買えるのです」

そんなある日、「絵かき」が現れるのです。
大きな筆を肩にしょった黒ずくめの男です。
「このなかで 絵かきに なりたいものは いるか?」

表紙の3人が手をあげるのです。
「ただではないよ。」
なんと絵かきの男、画用紙を1ガーナセディで売ってくるのです。
「買ったものだけに、絵の かきかたを おしえよう」

ひとりは「1日 はたらいた たいせつな お金だ。」と怒り、キャンディー1つ買ったほうがいいや、と思うのです。
けれど2人は画用紙を買ってみます。

絵かきに、絵を描くときの大事な極意を聞き、2人は「こころを こめて、いっしょうけんめい」絵を描くのです。
この極意は、「そうなの?」と、絵を描くのが好きな聞き手の子供たちも、へえ、と聞いていました。
確かに大事なことですね。
忘れがちですが。

そして出来上がった2枚の絵を、なんと村の学校の先生が、「1まい 10ガーナセディで 売ってくれないか」と言うのです。
算数のお勉強にもなりますね。
お金の価値の勉強にも。

1ガーナセディで買った画用紙に、こころをこめて絵を描いたら、10ガーナセディで買ってもらえたわけです。
「キャンディと…、あと なにが 買えるでしょう?」
うきうきと読み上げます。

1人は、キャンディー3つと、車のおもちゃ1台、ちょうど10ガーナセディで買って大喜びするのです。
「まい日、たのしく あそぶことが できます。」
にこにこの表情です。

もう1人は、キャンディ3つと、「7まいの がようしを 買いました。」
そしてまたこころをこめて描くのです。
「村で たちまち ひょうばんに なって、ぜんぶ 売れました。」
なんと、「1まい 20ガーナセディの 値が つくものも ありました。」
400円になったのです!

さあ、今度は何を買うでしょう。
車のおもちゃも買います。
それでもやっぱり、画用紙も買うのです。

「だいすきな ひとへ おくる ラブレターのように、1まい1まい こころの こもった 作品に なりました。」
こころをこめて描くんですからね。

こころが洗われるような、目を覚まさせられるような、目先の欲にとらわれずにつかんだ幸せ、素敵な生き方に、はっとさせられる絵本です。
大人まで感動してしまいます。

参考になりましたら嬉しいです。

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