小学校図書館司書おすすめ猫絵本「ごろごろ にゃーん」長新太さんの作品は大人には謎が多いですがこどもウケ抜群!
「にゃーんにゃーん」と2歳息子が持ってきた絵本。
4歳娘もお気に入りです。
正直、長新太さんの作品は、大人には謎が多いと思います。
よくわからないなあ…と思いつつも司書の先輩がおすすめしてくれたので読んでみたところ、こどもたちがよーく見ていてくれ、読み聞かせのあとも借りてくれる確率の高い、不思議な絵本でした。
ぶきゃっ、と読むたび、笑いがおこる絵本。
なぜ気づかないの猫さん。あなたは最強ね。笑 小さいけど読み聞かせ向きの絵本です。
えー??という絵本が多い作家さん、長新太さん。
そういえば作家名も、「長」いのか「新」しいのか「太」いのか!
小学校の先生にも、大好きという方がおりまして、先生自ら読んでくださるときもあります。私も小学生と一緒に楽しく聞きます。
さて、「ごろごろにゃーん」。表紙見て「えんぴつ?」ってこどもがいました。笑
めくると、魚みたいな乗り物? 「ひこうきは ごろごろ、ねこたちは~」と書いてあります。
でもボートに乗って猫たち近づいていってるんです。つまり水上のひこうき??
そして謎のひこうきに乗り移る猫たち。いやなん匹いるの? いっぱい描かれています。
ボールペンの線のような、細々した絵のため、見開き横長のページを使って描かれてはいますが、ぜひ自分で借りてじっくりと見てほしい絵本です。
ここからひたすら、「ごろごろ にゃーん ごろごろ にゃーん と、ひこうきは とんでいきます」の繰り返し。
よそ見したり、遠くから見ている子は、読み手がよほど読み方を工夫しない限り、飽きてしまって、こどもには面白い絵本なのに、つまらない、と思ってしまいます。
一度つまらないと思わせてしまうと、こどもは借りません。読みません。
もう一度読んでみたら面白いかも、なんて思いません。
そういう意味で、読み手は重大な使命を背負って、披露しなければなりません。
初めの頃は緊張していた読み聞かせ。
そのうち慣れてきて、これでいっか、と選書したり、読んだことあるから練習しなくても大丈夫、なんて思ってしまったりすると思います。
けれどその絵本と、こどもは初めて出会う。良い出会いにしてあげたいものです。
あなたの絵本ではないし、あなたの読み聞かせの腕を自慢するのも違う。
あくまで仲介人。絵本が主役で、その魅力を最大限、こどもに見せるのがお仕事です。
私もこのことを忘れないように気を付けています。
けれど忙しさから忘れかけるときがあります…。
時間ができるとは読み聞かせおすすめの絵本リストの本を読んで、勉強します。大事なことを思い出します。
飛び立つひこうき、なにかひもがぶらさがっていて、あら、魚がくっついている!
この魚、次のページで機内食になっているのですが、残念ながら読み聞かせでは見えていない子が多い。
私は指差しして、気づかせてあげます。前の子が気づいてリアクションすると、なになに?という雰囲気になるので、急がなくてよいときなら、後ろの子にも見せにいきます。
荒れる海からねらってくる大きなくじらでしょうか。
ごろごろにゃーん、が荒れ狂う雷の音なのかしら、とか深読みするのは大人だけですね。
とがった牙が迫っていることも気づかず、ひこうきは飛び続けます。
なにが来ようと飛び続けます。
下になにが居ようとも。横をなにが通ろうとも。ひたすら通過。
下で起きている救出劇も、気づく子は「あー!」とかこぼしつつ食い入るように見ています。
きれいな満月? 実は太陽?
手は、バイバイしているのか。追いすがっているのか。待ってと言っているのか。
次で「ただいまー。」とラストシーンになるので、おかえり、の手ですかね。
ということは猫たちの飼い主? 多頭飼いにも限度があるよな。とか考えるのも大人だけですね。
いやあ、私には謎が多い絵本で、読むたびにもやっとしつつ、こどもは食い入って見てくれる絵本です。
参考になりましたら嬉しいです。