小学校図書館司書MARIママ、読み聞かせ絵本紹介します!

学校司書のパートと、2歳4歳姉弟の育児&保護猫2匹のお世話に奮闘しているMARIママです。読み聞かせおすすめの絵本を紹介しています。

小学校図書館司書おすすめ読み聞かせ絵本【チムとゆうかんなせんちょうさん】夢は船乗り。少年が大航海!

●夢を笑われても、勇気と努力で乗り越える!冒険絵本


厚いからか、なかなか読者を得られず棚に並んでいる絵本です。
チムぼうやが主人公。
ふなのりに憧れる少年です。

ワンピースのルフィを連想してしまうMARIママ。笑
面白い予感しかしない、出だしです!

仲良しのボートおじさんがいて、船乗りだったころの話をたのしく聞くチム。
同じく仲良しのマクフィー船長からは、航海の思い出話をたくさん聞かせてもらっていました。
ふなのりになりたい、と言いだすチム。
しかしお父さんお母さんは「まだ ちいさすぎるよ。」と笑って、本気にしてくれないのです。

悲しくて、くやしくて、チムは「ふねに のって、うちを にげだしてしまおうと おもいました。」
ちょうどよく、ボートのおじさんが、モーターボートにのせてくれるのです。
準備を手伝い、乗船。
ボートおじさんが汽船の友達と話しているすきに、チムは汽船にこっそり、のりこみます。

もちろん見つかり、船長にとても怒られます。
甲板の掃除を言いつけられ、へとへとになり、「うちを にげだしたりするもんじゃないと おもいました。」

しかし頑張ったチムには、正当な労いの言葉がもらえるのです。
「コックが ココアを 一ぱい くれました。」
くたびれてすぐ眠り、翌朝から、チムの船の暮らしが始まります。
「げんきなこで、いつも よろこんで しごとを てつだいました」
船員や船長に、気に入られていくのです。

そんなある朝、嵐がやってきます。
船酔いしてしまうチム。
「ふねが しずむぞ。ボートへ うつれ」
船員たちは沈み行く船を離れていきます。
が!
「おそろしくて ちぢこまっていたので、だれも きがつかなかったのです。」
そう、チムは、ふねに取り残されてしまうのです。

船長も残っていました。
「せんちょうは じぶんの ふねを すてないで、がんばっていました。」
けれど、がんばるといったって、ちっぽけな人間。
大自然の猛威には太刀打ちできません。
「ふたりは、しっかり てをにぎって、さいごを まちました。」
「いよいよ、なみに のまれようとした そのとき」

助かるのです。
なんとか命からがら、救助ボートに乗ることができました。

大変な目に遭いつつ、けれどチムは、家に帰りつくのです。
お父さんお母さんの見る目もそりゃあ変わりますね。
小さかったぼうやが、大冒険をして、帰ってきたわけです。

夢を笑われても、めげずに努力する。
それでも困難が立ちはだかり、でもなんとか乗り越えていく。
勇気と冒険のお話で、ぜひ出会わせてあげたい絵本です。

けれど白黒の絵や、長いページ数に、ひとり読みのハードルが高いよう。
こんな本こそ、お父さんお母さん、先生、司書が、出会わせ役になりたいものです。

参考になりましたら嬉しいです。