小学校図書館司書MARIママ、読み聞かせ絵本紹介します!

学校司書のパートと、2歳4歳姉弟の育児&保護猫2匹のお世話に奮闘しているMARIママです。読み聞かせおすすめの絵本を紹介しています。

小学校図書館司書おすすめ読み聞かせ絵本【あしにょきにょき】大きな足が町を駆け巡る。どうやって止める!?

●不思議なそら豆で足がのびちゃう。どこまで伸びるの!?

表紙を見せ、あるいは題名を読んだ瞬間、ざわつく面白いことが予想できる絵本です。
「ポコおじさん」が主人公。
ぽっちゃりしたほっぺと、ちょこんとのった髪の毛が愛嬌あるおじさんです。

裕福に暮らすおじさんで、食べたことがないものなんてない、というくらい豊かな食生活を送っています。
だからこそ「めずらしいものを たべてみたいと、おもっていました。」

そんなあるひ、「そらまめは いりませんか?」と、かっぱのような、宇宙人のような、緑色で耳が大きな不気味な来客があるのです。
「このそらまめは ふつうの そらまめでは ありません。」
そう、トランクいっぱいの大きなそらまめだったのです。
「ポコおじさんの くちから よだれが たれました。」

さっそく購入したポコおじさん。
ナイフとフォークを使い、エプロンもつけて、優雅にそらまめを食すのです。
「すると、どうでしょう。ポコおじさんの ひだりあしが、にょきにょき のびはじめました。
見開きつきぬける、左足が描かれます。

ページめくり、さらに驚く聞き手の子どもたち。
大笑い必須です。
指差してどよめきます。
「あしは いえをとびだし」
家の窓ガラスを破って、突き進んでいくのです。

木々のうっそうとしたページもぬけて、「よそのいえに むかって」のびていくのです。
大丈夫?
うわー。
とリアクションが入ってくれると、絵本の世界に早くも浸ってくれている証拠ですね。

まだまだのびます。
よそのいえの食卓を蹴散らして、橋もわたります。
町中の道路も進んでいきます。
倒れた車と、驚く町の人々の表情も細部まで描かれているので、ぜひ親子読書や、ひとり読みもしてほしい絵本です。

地の文がありませんが、町中を迷路のようにくねくね突き進む足が見開きで描かれます。
指でなぞって、ひとり読みする子供がいました。
ここももちろん、細部まで見てほしいページ。
呆然とする人々や、困っている車、事故になってパトカーも来ているんです。
借りた子が、気づいて教えてくれました。

町の人たち、縄をかけてひっぱって食い止めようとするのですが、とまりません。
市長に直談判にいく、かんかんの、あるいは困り果てた町民たち。
とはいえ市長さんだって、足を相手になにができましょう?笑

さあ、どうなると思いますか。
「そこへ、おんなのこが やってきました。」
普通に歩いてきて、指を出して、必殺攻撃!
そう、こちょこちょです。

足が縮んでゆくのです。
もどっていく順序も、のびてきた順序を、丁寧に逆にたどります。
そこがまた面白い。

最後、ポコおじさんの食卓に場面が戻ります。
「なんだか、すこしばかり あしのうらが こそばゆいなあ」とためいきをついて、呟くのです。

奥付け手前、大変なそらまめを売ってきた、みどりの謎の来客の後ろ姿が描かれています。
彼は誰だったんでしょうね。
読み終わっても謎が残る、そこがまた絵本が終わらず、あとからあとから友達との話題になり、楽しめます。

シリーズが出ています。
ぜひ合わせて出会わせてあげてください。

図書館司書さんなら、ブックトークにもなりますね。
「あし」の本は、【でっこりぼっこり】もおすすめです。

表紙のとおり、おーきい足に困り果てる…と思いきや、有効活用しているお話。
足が大きいので、描きこまれる人々や町が小さく細かく、見入ってしまう絵本です。

参考になりましたら嬉しいです。

●育児奮闘記ブログもよろしければご覧ください。

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