小学校図書館司書MARIママ、読み聞かせ絵本紹介します!

学校司書のパートと、2歳4歳姉弟の育児&保護猫2匹のお世話に奮闘しているMARIママです。読み聞かせおすすめの絵本を紹介しています。

小学校図書館司書おすすめ読み聞かせ絵本【トマトのひみつ】白い毛と臭いの力知ってる?虫除け植物!

●虫を待つ蜘蛛。でも来ない。理由はトマトのそばだから。なぜでしょう?

まっかなトマトが表紙の正方形の科学絵本です。
「ぼくは トマト」「なつが きた」と始まるので、梅雨明け頃から夏休み前までに、読んでいます。
農園作業をしている学級は、とても食い付きのいい絵本です。

ページめくり、おおきくクモの巣と蜘蛛がのっています。
「トマトばたけに すを つくりはじめた。」
「クモが なぜ すを つくるか しっているかい。」
少し考える間をとって、ページをめくります。
なにか答えてくれる子には、にこにこうんうん、と過剰には反応せず、聞いているよ、そうだね、と合図する程度にとどめます。

次のページには、花に集まるいろいろな虫がのっています。
「クモが すを つくったのはね、はたけに とんでくる こんな むしを おなか いっぱい たべようとしていたのさ。」
そうなんですね! 知らなかったです。
むしを食べるのはしっていましたが、クモの巣にからんだ蛾とか羽のある虫を食べるんだとおもっていました。
「ぼくたち トマトは いたずらする むしなんて だいっきらい。」

ページめくり、「それでね」とトマトが驚くことを言うのです。
「いたずらされないような ひみつ」があるんです。
「ひみつの ちから」知っていますか?
写真に、トマトの茎から、しろい毛が生えているのが写っています。
指差して見せています。
「この けから、むしの きらいな においを だしているのさ。」
知りませんでした!
という子供も多く、担任の先生も驚いてくれます。
この絵本で知ったあと、家庭菜園のトマトにジョーロがあたったとき、確かに臭いにおいがしました!
このことか!となる経験もぜひさせてあげたいので、農園のない学校では、茎や、トマトそのものでもいいので、展示しつつ読み聞かせすると、ぐっと聞き入ってくれると思います。

次のページはがっかりクモです。
クモの巣にひっかかったのは、ごみだったのです。
空腹のクモに、教えてあげたいですね。
トマトの近くにいても、においで虫はこないよ、と。

青い小さいトマトが、おおきくなっていく写真がのっています。
食べる段階のトマト、売られる段階のトマトしか知らない子供には、学びの多い見開きです。

最後やっとトマトの近くでは虫が来ないことに気づいたクモが、おひっこしします。
「ふしぎな においに まもられながら、 まっかに うれて かがやいた。」

科学絵本は学びがあり、自主学習にもつながるので、小学校での読み聞かせにおすすめです。
一冊科学絵本、一冊お話の本、だと低学年でも集中して聞いてくれます。
たとえば、以前ご紹介した【ぜったいたべないからね】は、トマトが大嫌いな女の子のお話。
兄が工夫して食べさせるのですが、この工夫が面白い絵本です。
中学年、高学年には、4類の虫の本、6類の野菜の本につなげてブックトークすることもできます。

参考になりましたら嬉しいです。