小学校図書館司書MARIママ、読み聞かせ絵本紹介します!

学校司書のパートと、2歳4歳姉弟の育児&保護猫2匹のお世話に奮闘しているMARIママです。読み聞かせおすすめの絵本を紹介しています。

小学校図書館司書おすすめ【すごいおばさん絵本】おばあちゃんの知恵袋炸裂♪絵本から児童書に進むきっかけにも。

●「ばばばあちゃん」じゃない、小さいすごいおばあさんの絵本

題名と表紙のとおり、スプーン大になってしまったおばさんのお話です。
21cm27cmの横長い絵本。
読み聞かせのときは、少し顔からとおい側が見えにくいので練習が必要です。
かといって、見えやすいように半開きにしては、聞き手が見えにくいので、開き癖をつけてしっかり見開いて見せるように準備します。

「ふつうのおばさんの するとおり、ベッドに はいって」眠り、翌朝起きると、「おばさんは ティースプーンくらいに ちいさくなっていたんです。これは、ふつうのおばさんの なることじゃ ありませんよね。」
おばさんの驚いた、けれど小さな顔が、笑いと驚きを誘う出だしです。

自分が小さくなって目覚めたら、そりゃあ動揺する気がしますが、このおばさんは違います。
「スプーンみたいに ちいさくなっちゃんたんなら、それで うまく いくように やらなきゃならないわね。」
さあ、どのようにして「うまく いくように」するのでしょうか。

その方法が面白い絵本なのです。
はじまりはじまり。

まずはベッドから降ります。
なにしろスプーン大なので、床がとおい。
ふとんを使って解決するのです。

次は掃除。
ちいさくなっちゃった日くらい、さぼればいいのに…と思ってしまいますが、ねずみにお願いして解決するのです。
お願いというか…脅迫ですか?
口が達者なのです。

皿洗いは猫に頼みますし、ベッドメイキングは犬にお願いします。
ごほうびもちゃんと忘れず渡します…いえ、自分でとらせます。すごい!

さあ洗濯はどうしましょうか。
桶に水がありません。
「いますぐに 雨が ふらなけりゃ、はたけは だめだし、びょうきが はやるよ。」と何度も呪文のようにおばさんは呟くのです。

ページめくり、まさかの、「雨は かんかんに おこって」雨を降らせるのです。
小さなおばさん流されちゃうんじゃ?と思いきや、葉陰に座り込んで、雨が洗濯するのを涼しい顔で待っているのです。
やりおる!笑

洗ったら干さなきゃですね。
またぶつぶつ。
南風に文句を言い出すのです。
悔しい南風、「きものを みんな ふきとばして、ほしものの つなに ひっかけました。」
そんなバカな!って感じですね。
すげー、と子どもたちから感想があがります。

干したら、乾かないと困る。
お次は太陽に文句を言い出すおばさん。
太陽も「おこって まっかに もえあがり」…洗濯の乾きもバッチリになるのです。
小さなおばさん熱射病大丈夫?と思うでしょう。
とっくにおうちの中です。
しかも、「水に うかべた コーヒーざらに のっかって、すいすい うごいていました。」
ちょっとやってみたいですね。気持ちよさそうです。

最後は昼ごはんを作ります。
「あと 一じかんすれば、うちのひとが しごとから かえってくる。それまでには、パンケーキを」
30枚焼いておく必要があるんだそうです!
「多くない!?」と聞き手の子どもたちもびっくり。
小さなおばさんがパンケーキを焼けると思いますか?
ここまでの流れで、解決の仕方を考えだす子どもたち。
そう、口を使って、生地の入っている「つぼ」、「フライパン」「パンケーキ」に呼び掛けるのです。
そしてみんな、上手にのせられて、どんどんパンケーキを積み重ねて焼き上げていくのです。

ご亭主が帰ってきて、ドアがあいたとき!
「おばさんは いつもの 大きさに もどり」ます!
それでも慌てず動じず、ご亭主と静かにパンケーキを食べるのです。
「なぜって おばさなんというものは、」…。
さあなぜしゃべらないのか。
えーって子供たちも驚いたラストでした。

スプーンおばさんは、児童書でもカラーイラスト満載でシリーズが出ています。
絵本から児童書へ進むきっかけにもなる一冊です。

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