小学校図書館司書おすすめSDGs絵本【わたしがかわる みらいもかわる】読み聞かせやブックトーク向き!ヒントがつまった絵本です。
●授業でもSDGsを考える時代。まずは絵本で知ろう学ぼう感じよう。
4年生が突然図書館にきて、「ごみありますか?」って聞いてくるので驚きました。
ごみの学習中だそうで、図書館でどんなゴミが出るのか、調べて帰りました。
燃やすゴミ、新聞、除籍した本ですね。
給食の時間の放送でも、「残さず食べましょう」が合言葉のように言われています。
少食の私にとっては難題。
教務室で食べているので、子どもの目はなく、申し訳ないけど元気でいるために残します、とSDGsに逆行してしまっています。
学校にいけない子と、行けるのに行きたくない子。
空腹な人と、捨てられる食べ物。
遠目の効く絵で描かれているので、大変分かりやすいです。
災害も多い毎日ですね。
海には魚のように、ゴミが泳ぐ絵が見開きで描かれます。
90度回し、縦長に読むページ。
貧富の差。
けれど平等に病は襲いかかり、苦しんでいる。
絵本を戻し、「せかいの どこかだけではなく、わたしたちの にほんでも おきている」
遠い話ではないのだと、気づかされます。
そして見開きで、地球をはさんで悩む子どもが等身大に描かれます。
「わたしたちは どうしたらよいの?」
ゆっくり次のページに進みます。
ここで「じぞくかのう」という言葉の登場です。
「いまも みらいも おなじように よりよく くらせるように。」
そして次のページでSDGs17の目標が載っています。
私は読み聞かせのときは、17の内容は読み上げていません。
教室で先生から教わるでしょうし、教科書やポスターでも目にするでしょうし。
読み聞かせではリズムを大切に、一旦飛ばして、読み聞かせのあとにもう一度見せたり、しおりをはさんで、面だししたりします。
「ひとりひとりが もくひょうに とりくもう。」
すごろくのような2015、2020、2025、2030をゴールにした、道が描かれる見開きです。
お年寄り、車イスや杖をついた老人、妊婦さんがゴールにいます。
さあ、なにができるでしょうか。
まずはダメな例が描かれます。
子どもの日常の、あれあれ?と首をかしげたくなる、けれど確かにある、そんな行動です。
次はできること。
すぐ気を付けられること、やってみることができるものが描かれます。
言葉だけでなく絵があるので、指差しつつ、ゆっくりひとつずつ例を示します。
パズルが描かれた見開きは、大人の私も気づかされるものが多いページでした。
ひとつの小さな行動が、つながって、つながって、大きな問題解決につながったり、大切なことにつながったりするんですね。
次のページで、「つながる」ことが「おおきな ちからに なっていくんだ」と、手を繋ぐ子どもたちの絵と、文章で伝えてくれます。
「きょうから ちいさな いっぽを ふみだそう。そして みらいを かえよう。」
絵本の読み聞かせで、今すぐできるSDGsの一歩を知ることができます。
SDGsや地球環境、リサイクル、エコ、自然災害など、幅広いブックトークの導入の読み聞かせにも使える優秀な一冊です。
最後に、ふりがなもなく漢字いっぱい、大人向けに「絵本のねらい」や実践事例が掲載されています。
授業で先生も方針が見えてくる、大変優秀な一冊です。
関連して、2冊SDGs絵本をご紹介します。
アフリカの少女が主人公の絵本。朝日が登りだす頃、起こされた少女は、みずくみに出発します。
歩いて歩いて、順番をならんで、やっとくむのは、茶色い川の水。
日が落ちそうな頃、ようやくくんできた水で生活する一家が描かれる絵本です。
「ねえ、どうして」水が遠いのか。濁っているのか。家にないのか。
その疑問を、苦しさを、改善しようと少女は立ち上がるのです。
あとがきに、実際の写真も載っていて、私は練り歩いて後ろの子まで見せにいきます。
蛇口をひねれば水が出る、そんな現代っ子に、衝撃をあたえるおはなしです。
砂漠でビニール袋をなんとも言えない表情でひろう、異国の女性が表紙。
めくると遊び紙部分まで見開きいっぱい、ゴミぶくろだらけです。
前述の「みずをくむプリンセス」の少女同様、今度は食料を延々運ぶ女性が登場。
入れ物が壊れ、中身が散らばってしまったとき、袋を見つけて使うのです。
「ポリぶくろね。町ではどんどんふえて、たいへんらしいけど」とおばあちゃんに教えてもらいます。
捨てられたゴミぶくろは、彼女が拾ったもの以外にもたくさんあり、「食べてしまうヤギがたくさんいるんだよ。このふくろを食べたら、はらの中でからまってしまい、生きちゃいられない。」ということを知ります。
彼女は袋をなんとかしようと立ち上がります。この活用法がすごい!
ゴミに悩み、ゴミで解決する。
あとがきに実際のお写真もあるので、見せてまわります。
本当の話は、ぐっと子どもたちのこころに残ります。
身近なビニール袋を見る目がかわる、SDGs絵本です。
小学生のうちに出会い、考えるきっかけになってほしい絵本たちです。
ブックトークや授業で先生方から子供へ届けてほしいし、子供のまた子供、そのまた子供の時代にも地球が、地球であるために、親子で読んで考えてほしい本でもあります。
参考になりましたら嬉しいです。
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