小学校図書館司書MARIママ、読み聞かせ絵本紹介します!

学校司書のパートと、2歳4歳姉弟の育児&保護猫2匹のお世話に奮闘しているMARIママです。読み聞かせおすすめの絵本を紹介しています。

小学校図書館司書おすすめ読み聞かせ七夕絵本【ふしぎなたいこ】叩くと鼻が天の川の橋までにょきにょき!?

●不思議な太鼓を叩くと鼻がのびる。どこまで伸びる?

石井桃子さんが文を書かれた日本昔話が3話入った、小さめの本です。
天の川にかける橋がでてくるお話が、一番最初に載っています。
【ふしぎなたいこ】です。

「むかし あるところに、げんごろうさんという ひとが すんでいました。」
げんごろうさんは不思議なたいこを持っていて、叩く面を変えて、ひとの鼻を高くしたり、低くしたりして、喜ばれていました。

文章多目ですが、挿し絵も遠目の効く輪郭のしっかりした絵のため、読み聞かせできます。
覚えて、本なしで、語りで披露しても、続きが気になるお話です。

そんなたいこを持っていますから、つい思ってしまうのです。
にんげんの はなが どのくらい のびるものか、ためしてみたく なりました。」
そしてげんごろうさん、実験するのです。
たいこを「どんどこ どんどこ」
鼻が「にょき にょき」
絵もお話も古い感じで、いまいちすぐには子供たち、世界に入ってきてくれないので、擬音語をリズムよく読み上げて、楽しいお話の世界へ誘うようにしています。

鼻は太鼓を叩くたびにのびて、手の長さくらいになり、てんびんぼうくらいの長さになり、電信柱ほどにまでなり。
「もう はなが おもくて おもくて、げんごろうさんは たおれそうでした。」
重くて、をオーバーなくらいに読んでいます。
低学年には、本を持たないほうの手で、実際に自分の鼻を触ってジェスチャーもまじえました。
ここらへんでやっと、笑ったり、ながーい鼻を指差したり、子供たちの反応が出てきます

次のページはさっと90度回転させて、もっと子供たちを喜ばせましょう。
「にょき にょき にょきと のびて」
、どころか、もこえ、の中までのびていくのです。
本が小さいのが少し残念ですが、見開き縦につらぬく鼻にビックリしてもらえるページのため、長めに見せます。

本を戻し、雲の先の「天ごく」が場面です。
「だいくさんが あまの川の はしを かけていました。」
そこに、「にょき にょきと」鼻がのびてきたわけです。
大工さん、なんと「はなを、ぼうと まちがえて、はしの らんかんに しっかり しばりつけて しまいました。」
鼻がわかりにくいような反応だったら、指差して教えてあげています。
うわー、と続きを気にする子供たちの表情があれば、次へ進みます。

一方、げんごろうさんです。
橋に縛られて、鼻がのびず、しかもなにやら「とても むずむず するでは ありませんか。」
笑いがおこります。
さあ、どうしましょう。
げんごろうさんは、「はなを ちぢめて しらべてみよう」と太鼓を叩くのです。
しかしながら、鼻はしっかり橋に縛り付けられているので…?笑

次のページ、浮き上がったげんごろうさんの慌てた表情が描かれます。
鼻が短くなるにつれ、げんごろうさんの体のほうが、天の川の橋に向かって浮き上がってしまったのです。

げんごろうさん、天国まで鼻を縮めて上ってきます。
橋から鼻を取り戻して、もとの鼻にして、ふう。
ひと安心。
じゃないんですね。
「ながい はなが なくなってしまったのですから、どうやって うちへ かえったら いいでしょう。

ページめくると、落ちていくげんごろうさんが描かれています。
雲が切れ、「まっさおな みずうみ」に落ちてしまうのです。

そこは「おうみのくにの びわという おおきな みずうみでした。」
必死に泳ぐげんごろうさん。
しかも、あれあれ?
絵で気づく子もいます。
げんごろうさんは、ちいさい おさかなに なって いたのでした。」
ここで担任の先生など大人は、だから名前が【げんごろう】さんなのだと、気づくわけですね。

おわりに、「いまでも びわこには、げんごろうぶなという おさかなが たくさん います。」と魚が描かれています。
昔話って、教訓があり、現実とリンクもしていて、怖いような、驚くような、面白味がありますね。

七夕のお話としては、まったく恋愛や願い事、星などは出てこないのですが、知らない子ばかりのお話のため、楽しんでもらえます。
毎年まんねりしてしまっている行事の読み聞かせでお困りの方、ぜひ読んでみてください。

私は七夕の絵本として、以下の絵本も読み聞かせに使用しています。
組み合わせてお話会にしますので、参考になりましたら嬉しいです。

【おこだでませんように】
大阪弁なのが難しいですが、兄妹とお母さん、お兄ちゃんと友達、お兄ちゃんと先生のお話です。
妹を泣かして怒られる、学校でふざけて怒られる、言葉の暴力にやり返しただけなのに学校で怒られる。
とにかく怒られる主人公のお兄ちゃんが、七夕の短冊に、一生懸命「おこだでませんように」と書くのです。
願いは叶い、先生にも、お母さんにも、最後ちゃんと見直してもらえるのです。
子育てママとして、気づかされる部分もあるお話で、下の子優先もときどきはお休みして、上の子を抱きしめたくなる絵本です。


【ひ・み・つ】
長いお話ですが、1年生から高学年まで使える七夕のお話です。
主人公の男の子、ゆうきが、大好きなおばあちゃんのために頑張ります。
おばあちゃんの「ひ・み・つ」=願い事を知ったゆうきが、【ききみみずきん】をかぶって魔法を使うのです。
夢のある、そして思いやり、行動力に、感動させられるお話です。
織姫と彦星のように、おばあちゃんは、旦那さんと会い、ダンスを踊る一夜を過ごすのです。

marimamashisyo.hatenablog.com
【おってきってたのしいたなばたまつり】
七夕の笹の飾りを作ることができる雑誌絵本です。

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