小学校図書館司書MARIママ、読み聞かせ絵本紹介します!

学校司書のパートと、2歳4歳姉弟の育児&保護猫2匹のお世話に奮闘しているMARIママです。読み聞かせおすすめの絵本を紹介しています。

小学校図書館司書おすすめ読み聞かせ絵本【ルリユールおじさん】勤労感謝の日に職人技と、夢を叶える女の子を見せよう。

勤労感謝の日。職人の技術に驚き、かつ夢を叶える女の子のまっすぐな姿を。高学年向け絵本。10分強。

6年生の国語の教科書掲載図書です。
勤労感謝の日が近いので、お仕事の話として5年、6年向けに読み聞かせをしました。
横長のおおきな本のため、読み聞かせる側としては、持ち手から遠い側が見にくい本ではありますが、淡いタッチの外国の街並み、無駄のない地の文で、しっとりと読んであげたい本です。

「パリの街に朝がきた。」と始まります。
よく見ると、登場人物の女の子と、ルリユールおじさんがそれぞれのページで描かれています。

「あ、わたしの図鑑が」
絵で、バラバラになってしまったことを読み取らないといけないため、指差して、遠くの子にも状況をわかってもらえるよう工夫しています。

「こわれた本はどこへもっていけばいいの?」
高学年だとなかなか合いの手は入りませんが、考える間をとってページをめくっています。
絵を見せるためにも、見開き1ページずつゆっくり読みたい絵本です。

本屋にいきますが、「でもこの本をなおしたいの。」と女の子。
「そんなにだいじな本なら、ルリユールのところに行ってごらん」と教えてもらいます。

「ルリユールって、本のおいしゃさんみたいな 人のこと?」
この「本のおいしゃさん」という表現がとてもわかりやすくて素敵だなと思いました。
司書もある意味でそうですね。
よほど大破していない限りは、のりやテープで修理して、復活させています。

「はいってもいいの?」
そして女の子は、ルリユールのお店に本を持ち込みます。
「わあ、ぐちゃぐちゃ!」
物にあふれかえった店内に、少し聞き手の児童が、うわーと見いる雰囲気がありました。

「こんなになるまで、よく読んだねえ。ようし、なんとかしてあげよう。」
司書の私も、図書館で愛され続け、頑張っている本を見ると、そう思って腕をふるうときがあります。
しかしながら、会計年度任用職員パートタイマー。
勤務時間が無限にあるわけではなく、廃棄という選択を選ばざるおえない本もあります。
買い換えたいけど、予算も少ない現実。
買ってあげたい本だらけで、困る毎日です。

「まず一度本をばらばらにしよう」という言葉に驚く児童も多いです。
「ルリユール」ということばには「もう一度つなげる」という意味もあるんだよ。」
ここから見たこともないような機械をつかって、長い行程を踏んで、本が生まれ変わっていきます。
P32は印字でなく、手書きの文字でプロセスが載っていて、ここは読まない時もあります。
ぜひ借りてよく見ながら、順をおって知ってほしい行程です。
本と見比べて、こうなっているんだ!と発見してほしいページです。

「かわくまで一日おこうな。」
女の子もびっくりします。
聞き手のこどもたちもびっくり。

「そのあいだにすることがあるんだよ。表紙の皮と紙をえらばないとな。」
女の子は「森の色の紙」を選びます。
すぐ使えるわけではなく「皮のうらをヘラでけずって、全体をうすくしていく。紙くらいのうすさにな。」
すごい緻密な技術ですね。

パンをもって二人は公園にいきます。
「わたしの父もルリルールだった。」と父の「木のこぶのようだった」手を思いだし、技術を語ります。
「名をのこさなくてもいい。「ぼうず、いい手をもて」
素敵な職人の手がP45に描かれています。

「本には大事な知識や物語や人生や歴史がいっぱいつまっている。それらをわすれないように、未来にむかって伝えていくのがルリユールの仕事なんだ。」
本の可能性を教えてくれる言葉です。
図書館司書としても、眠る本たちに読者を与え、本が生き生きと残っていくように、努めたいな、と思う本でした。
「修復され、じょうぶに装丁されるたびに本は、またあたらしいいのちを生きる。」
「わたしも魔法の手をもてただろうか。」

そして芽の出た鉢植えを抱え、「あの本できてるかな。」と女の子がかけていきます。
お店には、生まれ変わった、見違えるような、けれど大事な何度も読んできた本が、出来上がっているのです。
「なんでもおしえてくれる わたしの本。」
眠ってしまったルリユールおじさんに、「ありがとう」と本を抱えて言うのです。

最後、成長した女の子と、大木が描かれます。
「おじさんのつくってくれた本は、二度とこわれることはなかった。そして私は、」
夢を叶えるのです。

表紙と裏表紙を見開きで見せて、ゆっくりと余韻を残して、お話会を終えたいですね。
ぜひ高学年向けのお話に悩んでいる方、出会わせてあげてください。
10分前後でお話できるかと思います。

重たく終わるのが嫌であれば、
「ぼちぼちいこか」を続けて読みます。

大阪弁ですが、頑張りすぎなくていいじゃん。トライしてトライして。休んで。ぼちぼちやっていこうよ、という肩の力の抜ける短い絵本です。
挫折の仕方が面白く、笑える本ですよ。

●司書・読み聞かせに役立つサイト




【絵本ナビ】は新刊紹介や試し読み、リアルな子育てママのレビューが見れて、選書や読み聞かせの参考になります。
季節や行事、学年ごとの特集、紹介もしてくれているので、コーナー展示やレファレンス、授業用図書の準備の参考にもなります。
困ったら絵本ナビを参照!というのがMARIママ司書の秘訣です。




【ネットオフ】では、年会費5800円で、毎月15冊、110円の本をタダで頂けるサブスクをやっています。
趣味の本はもちろん、勉強の本も選んで送っていただいています。
★メリット
110円なら書籍・コミック自由に選べるため、児童書や絵本、絵本リストなど、業務にいかせる本をタダで頂けます
サブスク会員特典で、他に本を買うとき、あるいは買取してもらうとき使えるクーポンを頂けます。
ネット上で選べるため、行って探す手間がありません。
★デメリット
送料は440円(税込)別にかかります。タダ本の他に1500円以上購入すれば、送料無料になります。
本の状態はわからないため、日焼けや折れが多少ある本が届くこともあります。