小学校図書館司書MARIママ、読み聞かせ絵本紹介します!

学校司書のパートと、2歳4歳姉弟の育児&保護猫2匹のお世話に奮闘しているMARIママです。読み聞かせおすすめの絵本を紹介しています。

小学校図書館司書おすすめ読み聞かせ絵本【とらとほしがき】虎が柿を怖がる?日本昔話【ふるやのもり】の韓国版!

●秋の実り柿、を怖がってしまう猛獣?トラの失敗談。外国の昔話で高学年までウケます!

韓国のむかしばなしです。
表紙に立派な虎が描かれていて、暗めの色使いのため、あまり貸し出しがのびない本ですが、読んでみると虎が「干し柿」を超怖がる笑い話なので、読み聞かせで出会わせてあげたい本です。

「むかしむかし、やまおくの そのまたおくに おおきなとらが いっぴき すんでいました。」
「じぶんこそ このよのおうであると しんじて」いる虎です。

しかしながらページめくると、頭をかかえ縮こまってい困った顔をする虎が、小さく描かれるのです。
「たいへんおろかな しっぱいをしてしまいました。さて、それはいったい どんな しっぱいだったのでしょう。」

えーなんだろう?と聞き手のこどもたちも考えてくれます。
が思い付きませんね。虎と言えばとても強いイメージ。まさか干し柿を怖がるなんて。

「ながいひるねから めをさますと、」腹ペコで山を降りていきます。
見つけたのは牛小屋のある小さな家です。
「なんて うまそうなんだ。ようし、あのうしを くってやろう」

ところが物音がして立ち止まります。
「おや、なんだろう」
赤ちゃんが泣いていて、お母さんが抱っこであやしています。

「ぼうや、いいこね。なくのは およし。ぼうやの なきごえを きいて、おおかみが くるわよ。ほら! おおかみが すぐそこに!」
とお母さんは脅かして泣き止ませようとするのですが、赤ちゃんは泣き止まないわけです。
その様子を見た虎は思います。
「ううむ。あかんぼうは おおかみを こわがらないのだな。」と。

次は、くまが来ると言いますが、やはり泣き止まない赤ちゃん。
次は、とら。
とらにはさすがに怖がって、泣き止む。
と思いきや、やはり泣き止まない赤ちゃん。
虎くん、ショックはわけですね。

「ぼや、いいこね。なくのは およし。さあ、ほしがきよ」
とお母さんが干し柿を差し出すと、何を言っても泣き止まなかった赤ちゃんが、ついに泣き止むのです。
そして勘違いする虎。
「アイゴッ!いったい ほしがきとは、どんなやつなのか。あのあかんぼうが なきやんだということは、わしより つよくて おそろしいやつに ちがいない。」
恐れた虎は、「ほしがきが でてくるまえに、いそいで やまに かえらんくては」と歩きだします。
が、その背中に「うしだとおもった どろぼう」が飛び乗るのです。

「アイゴアイゴ!ほしがきが わしの せなかに のぼったようだ。わしは もう おしまいなのか!」と走り出す虎。
聞き手の子供たち、えーと驚きつつ大笑いです。

ところで「アイゴ!」という言葉が、日本語でいうところの「うわあ!」のタイミングで何度か出てきます。
韓国の言葉で、びっくりした気持ちやかなしい気持ち、思わず出てしまう叫び、呟きのことだそうです。
つっこまれれば、最後、解説をいれています。

一方虎の背中に乗ってしまった泥棒。
はじめこそ、獲物の牛に逃げられては困ると抱きついていましたが、夜が明けるまで虎が逃げ続け、明るくなって気づくわけです。
「アイグッ! なんてこった! こいつは とらじゃないか!」
泥棒もおバカさん!
びっくりして思わず虎の首をぎゅっとしてしまう泥棒に、
「アイゴー! とうとう ほしがきが わしを とってくおうというのだな」とあせる虎!笑

最後、泥棒が、木の枝にぶらさがって虎の背中から逃げ、やっとお互い勘違いの怖いものから解放されます。
そして泥棒も、虎も、もう二度と村に悪さをしに行かなくなるのです。
めでたしめでたし?笑

奥付にあとがきがかかれており、「みなさんは、ほしがきが好きですか。」と始まります。
中高学年にはここも読んでいます。
今では知らない子、食べたことのない子もいる「柿」ですが、日本だけでなく韓国、中国でも昔から食べられていたんだそうです。
日本のむかしばなしの「ふるやのもり」に似ていることに気づく児童も多く、その理由もかかれています。

もとが同じお話=インドの説教説話集「パンチャタントラ」なんだそうですよ。

1年生で日本の昔話を学び、2年生で世界の昔話を学ぶので、ぜひ小学校低学年から出会わせてあげたいお話です。
柿の時期に、「干し柿」という科学絵本と一緒にお話会にしました。

「ふるやのもり」ってなんだ?というムードを感じたときは、続けてそちらも読んだりします。
日本の方が結末が残酷で長引く印象です。
いろんな絵の方で出版されていますが、田島征三さん絵の福音館出版、横長の絵本を推奨いたします。
場面と絵がマッチしていて読み聞かせ向きかと思います。
参考になりましたら幸いです。

●司書・読み聞かせに役立つサイト




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季節や行事、学年ごとの特集、紹介もしてくれているので、コーナー展示やレファレンス、授業用図書の準備の参考にもなります。
困ったら絵本ナビを参照!というのがMARIママ司書の秘訣です。




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