小学校図書館司書おすすめオリエンテーションに使える絵本【ここはいつでもぼくの場所】司書の役目も再確認できますよ。
●小学校図書館 図書の時間初回 オリエンテーションで活躍
オリエンテーションで読み聞かせを行った絵本です。
教室で浮かない顔をしている少年が主人公。
仲良しのあおいちゃんと、ダックスフントについての意見が合わずに、ぜっこうしたからです。
「足が短いし、ソーセージみたいでぜんぜんかわいくない」P5
「そんなことない!」
「ぼくならあんな犬かわないね!」
他の子と楽しそうにしているあおいちゃんの姿に腹が立ち、教室を出ます。
学校探検です。
見つけたのは、「ようこそ」という表示が楽しそうに見える「図書館」。
図書館内の様子がとてもリアルに描かれていて、学校図書館デビューの一年生にも、わかりやすい場面です。
本を読むだけじゃない、いろいろな楽しみ方をしている子供たちがいます。
うるさくしたら、図書委員さんがちゃんと注意するのです。
この絵本を通して、図書館では静かにする、というあたりまえのようで、学年があがっていくうちに忘れがちなことも、自然と思い出すことができます。
司書が、担任の先生から、本の準備を依頼されているシーンもちゃんと入っているのです。
授業で使える本が図書館にはあって、司書の先生が準備しているんだな、と知ってもらえます。
図書館の雰囲気を気に入った主人公は、ときどきひとりで図書館に行くようになります。
が、「本はあまり読まない。」のです。
読まないんかーい!笑
「でも、別にいづらくない。図書館はぼくの場所になった。」P13
思わず突っ込みたくなった3行下で、本を読むだけが図書館じゃないのだと、司書のくせに思い出させられました。
主人公は図書館に通っているうちに、図書委員のお兄さんと、よく話すようになります。
そして知るのです。あおいちゃんが怒った訳を。
あおいちゃんはダックスフントを飼っていて、でも一年前に亡くしていました。
主人公は複雑な気持ちになります。
「ぼくはひどいことを言ってしまったのかな。」P16
もやもやした気持ちで、図書館に来た主人公。
変な犬とけなしたダックスフント。しかし実は、ダックスフントのこと、ぜんぜん知らないなあと思い至ります。
調べてみよう、と思いますが、図書館には本がたくさんあって、どこにあるのかわかりません。
そこに司書、登場ですね!
「まず4類のたなを見てみようか。その次にさがすなら6類かな」P19
司書と一緒に棚に行き、すぐに犬の図鑑を渡される主人公。
「すぐに見つけられるなんてすごいな。」P20
ここを読むとき、なんだか自分の司書ハードルを上げてしまっているようでドキドキします。
日々勉強ですね。
絵本の司書のように、本当にすぐ案内できるようになっていないと!
P21にはダックスフントについて「へえー」と聞き手みんなが思うような事実が書かれています。
ここに司書補足。
「犬の本といっても、犬のかい方とか、犬が出てくる物語とか、図書館にはいろいろな本があるんだよ。」
そうです。犬の「どんな」本を求めているのかも、きちんと聞いて、求める本に出会わせてあげるのが、司書の役目ですね。
そうして調べていくうちに、主人公は思うのです。
「どの本もぼくたちのための本なんだ。」P26
「知っていることが本で広がっていくのって、すごいし、楽しい。」P27
この主人公の思いを、こどもたち、みんなに感じてほしいものです。
そのための学校司書ですよね。
さいご、あおいちゃんと仲直りをします。
ここの二人の、やっと言葉になった台詞は、ゆっくり、小さな声で、私は読み聞かせします。
図書館のことがわかる本ですが、「道徳」の絵本でもあると思います。
主人公はそもそも、あおいちゃんと喧嘩したことがきっかけで、図書館に居場所を見つけましたが、仲直りしたあとも、図書館を利用します。
「なんでもないときも、何かなやみがあったときも、これからも図書館に行くと思う。ここはいつでもぼくの場所だから。」P31
最後、表紙、裏表紙を見開きで見せます。
そして遊び紙部分に戻り、「学校図書館のコーナーいろいろ」が載っていますので、実際の学校図書館のことと交えつつ、オリエンテーションとしてお話しします。
図書館のオリエンテーション資料としても使えますし、司書が自身の役割を再確認するという意味でも良い本です。
参考になりましたら嬉しいです。
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